柳原望「理不尽のみかた」

この「理不尽のみかた」は、「高杉さん家のおべんとう」の連載でも知られる柳原望さんによる、Silkyという雑誌に掲載された作品です。

検察審査会事務局を舞台として、主人公はそこで働く事務員の縁(えん)。

検察審査会とは昭和23年から存在する組織で、裁判員制度よりもはるか昔に創立されたものです。

そこでは、不起訴処分となった事件に対して、不満を持った被害者が裁判での再審を求めて駆け込む場所です。

縁が検察審査会に渦巻く様々な困難に屈することなく、果敢に理不尽に立ち向かっていく痛快ストーリー!

……というわけでもなく、検察審査会はあくまで「中立」の場所なので、被害者にも加害者にも肩入れをすることはできません。

なので、事務員である縁は訪れた人を押しのけることも助けることもできず、「理不尽」をただ受け流す立場にあります。

検察審査会に訪れる被害者の人々は、不起訴処分という「理不尽」に不満を持っています。

そして事務員である縁も、かつては「好きな人ができたから」という理由で離婚を切り出されてしまった「理不尽」な経験がありました。

そんなとき、隣に日本オタクのイギリス人が引っ越してきたことで、縁は様々な「理不尽」の形を考え直す、という一風変わったストーリーです。

変わったテーマを独特の視点から描く、新鮮なストーリーを体験できることでしょう。

Kindle価格は¥544、紙の本よりも36円お得です。(2014年1月現在)

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